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【るふNo.136】「お坊さんの修行」「私の修行」「仏教質問コーナー」 平成8年7月1日発行
 
お坊さんの修行
お坊さんの修行には何時間もお経を読んだり、水をかぶったり、写経をしたり、時には一般社会から離れ何十日もお堂にこもって、精神修行に専念することもあります。
これらは「妙法蓮華経」(以後「法華経」と略す)というお経の中に説かれている「五種法師」という修行の方法が基本となっています。
1.受持 深く「法華経」を信じて、その教えを持ち続けて実践すること。
2.読 「法華経」を見ながら自分で読んだり、他人の読むのを聞く。
3.誦  経文を見ないで空で読み、心の中で反復し、繰り返し読む。
4.解説 人に向って教えを説く。このことによって、自分自身も本当にれかるようになる。
5.書写「法華経」を書き写すこと。教えを弘めるためにもなり、自分自身の信心を深める。
この五つの修行法を「五種法師」といいます。この中でも特に大切なのが1にあげた「受持」であり、他の四つは「受持」を深める補助的なものといえます。
お経文の中には「一々文々是真仏」(お経文の一字一字は生身の仏である)とあるように、その一字であっても「受持」することによって仏様の教え、悟りの道へと進んでいくことができるのです。
しかし、僧侶は自分自身が救われるように修行するのではなくこれらの修行を通 して、一人でも多くの人に、心の悩みや苦しみから抜け出せるよう、いかなることがあっても仏様の教えを伝える精神を養うことなのです。
私の修行
最近、七冠王の誕生などで若い人の間でも将棋や囲碁の人気が高まっていますが、それらの世界もなかなか生存競争が激しいそうです。そんな囲碁界のなかで七十歳という高齢にも関わらずトップクラスを持っている方が居られるそうです。
この方はその秘訣を聞かれて、「コツとか要領とかいった都合のいいものではないのじゃありませんか。平凡なようだけど、結局は日常の努力だけですね。私は酒も競馬もやめられませんが、飲んでいるときでも頭から碁のことが離れたことがありません。碁打ちは碁打ちに専念すればいい。どんな職業でも、自分の仕事に精を出し、たえず向上心を持ち続けることが一番大切であり、その心構えこそが道を極めるコツなのかもしれませんね。」と言っています。
私たちは、修行という言葉を聞くとつい座禅をしたり、水をかぶったりすることを想像してしまいがちですが修行というものはそれだけにとどまらず、今自分が与えられた仕事を一生懸命し、数々の困難を乗り切ることではないでしょうか。
歌手など幅広く活躍されている美輪明宏さんは修行について「滝に打たれるだとか座禅を組んだりというお寺にこもって行をするのはやさしいことです。一般 社会で苦しみ、悲しみ、ねたみ、いやみ、そねみといったもので足を引っ張られながら修行をする方が大変なことなのですね。
お寺の中でもそういったねたみ等があるでしょうが一般社会ほど、ドロドロしたものではないでしょう。ですから、私は、毎日の日常生活の中で心の修行をするということが一番大切な修行だと思います。」と語っておられます。
われわれが毎日お唱えしている「南無妙法蓮華経」とは、まさにドロドロした泥(一般 社会の苦しみ)の中から蓮華の花(仏さまの心)を咲かせる教えなのです。
人生のうちでは色々苦難に出会い生きていることが本当につらく思う時がありますが、これを乗り切ろうとする努力こそが自分に与えられた修行なのだと思って、これらの苦難に負けることなく一歩でも前進して参りましょう。
仏教質問コーナー
Q.北向きになっている墓はよくないと言われたが?

A.一般的に北向きになるとよくないというのは、墓だけでなく家相学や方位 学等の考え方全般に言われています。北向きにすると、太陽の新鮮な朝の光に背を向けることとなり、よって陰の方位 と言え陰にこもると考えます。又南北で比べると北が高位と考え、北向きにすると参拝者の私たちが北(上座)にまわることとなり墓、先祖を見下ろすという意もあり、北向きをさけるとしております。しかしこれによって家運が下がる、早死にする人や不慮の事故にあったり、火事や病気になることと直接結び付けることは行き過ぎた考えです。仏教には「十方仏土という、どの方角にも仏さまの浄土(仏国土)があるという教えがあり基本的には吉凶がないとしています。方角の善し悪しを気にするよりも、心より手を合わせ、お墓参りをされることのほうがより大切なのです。
ここで一つの実例をお話ししましょう。
今や車で世界のトップとなったT社社長の実家の墓地は、一メートル四方のごく普通 のお墓ですが、横に並んでいる他家のお墓とは何か違うのです。それは、T家では雨の日も、風の日も毎日お参りをされ洗い清めた後、お墓の水を飲めるほとぎれいにしておかれるのだそうです。ここに他家との違いがあったのです。
私たちはまず自分の行動から見直すべきではないでしょうか。
今号の写真説明
龍門石窟(りゅうもんせっくつ)は敦煌の莫高窟(ばっこうくつ)・大同の雲鴻窟と共に中国三大石窟の一つで、なんと四百年もの年月をかけて伊河両岸の竜門山と香山の岩肌に洞窟千三百五十二、仏像九万七千三百体、碑文三干六百が約一キロメートルにわたって彫刻されています。
その一つ一つの形姿は中国古代の労働人民の聡明な智恵と創造の才能が現れています。

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